パイプハイターは、配管のぬめりや嫌なにおいなどに対処するための塩素系漂白剤です。
キッチン・お風呂などの住宅の幅広い箇所のにおいや詰まり対策で使用できる薬品なので、「トイレの詰まり対策にも使えるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
パイプハイターは、トイレの「つまり」対策の薬品ではないため、効果が期待できない場合が多いものの、原因によっては適用可能な場合もあります。
トイレの「つまり」にも効果的?パイプハイターってどんな洗剤?
トイレの「つまり」にパイプハイターが使用できるか否かを確認するために、パイプハイターの特徴を紹介します。
パイプハイターは花王の住宅洗剤
花王のパイプハイターは、アルカリ性の住居用塩素系漂白剤です。
国内有数の大手メーカーの花王の製品ということもあり、全国のドラッグストア・ホームセンター・スーパーマーケットなどで販売されています。
500mlサイズのものが1本200円前後と、気軽に購入できる販売価格です。
パイプハイターはトイレ「つまり」の主な原因には効果がない
パイプハイターは、トイレの「つまり」には効果を発揮しないケースが多いです。
パイプハイターがトイレの詰まりに対して効果を発揮しないのは、詰まりの種類がキッチン・お風呂・洗面台とトイレとでは異なるためです。
キッチン、お風呂・洗面台
油汚れ・皮脂・残飯・カビなどが原因。
汚れの原因が酸性であるため、アルカリ性の薬品(パイプハイター)が有効。
トイレ
- 尿石が原因:尿石はアルカリ性であるため、酸性の薬品が有効。
※尿石=尿の成分である尿素などがかたまったもの。トイレの黄ばみ・におい・つまりの原因。 - トイレットペーパー・排せつ物などが原因:これらは、本来は水に溶ける性質ですが、頑固なときには重曹+クエン酸などにより、高い洗浄力を生かす必要があります。
解消できるトイレの「つまり」
パイプハイターは、アルカリ性の塩素系漂白剤であるため、基本的な用途はカビや油汚れの洗浄です。
トイレの「つまり」に関しても、以下の原因で詰まっている場合には効果を発揮する可能性があります。
- 毛髪
- 油・残飯
- 嘔吐
軽度なトイレットペーパーや嘔吐物の「つまり」に対しても効果があったという意見・クチコミが一部に見られますが、明確な根拠が見つかりませんでした。
パイプハイターでトイレの「つまり」を解消する方法・手順
パイプハイターでトイレの「つまり」を解消するための手順と注意点を解説します。
手順
パイプハイターを使ってトイレの「つまり」に対応する方法は、以下のとおりです。
<手順>
- トイレにたまっている水を抜く(灯油用ポンプや雑巾を使用する)
- パイプハイターを便器の排水口部分に直接注ぐ
- 15~30分程度待つ
- 水を流す
詰まり解消の用途で使用する際には、パイプハイターを大量に使用します。
注意点
パイプハイターを使用する際には、注意すべきポイントがいくつかあります。
- 長時間放置しない
- ブラシで擦らない(飛沫が飛び散るため)
- 必ず換気する(においで気持ち悪くなったりすることがあるため)
- 必ず単独で使用する(他の薬品と混ぜない)
- 酸性の洗剤と混ぜて使用しない(有毒ガスが発生するため)
また、パイプハイターを最後に流すときに、40〜50℃のお湯を使用するとより高い効果が期待できます。
ただし、熱湯を注ぐと陶器が破損する危険性があるため、熱湯をそそがないようにしましょう。
緊急時の応急処置・対処法
パイプハイターがうっかり身体に付着してしまったり、誤飲してしまったりすると、トラブルに発展する危険性があります。
<応急処置・対処法>
- 身体に付着した場合
→十分に洗い流して、違和感が残るようであれば病院で診察を受ける - 目に入った場合
→水道水で洗い流して、眼科を受診する - 誤飲してしまった場合
→水を2杯ほど飲んで濃度を薄め、直ちに病院を受診する
パイプハイターは「つまり」の予防に効果的
パイプハイターは、トイレ「つまり」の予防に利用することも可能です。
例えば、トイレに以下の汚れ・つまり原因の元が蓄積している可能性がある場合、パイプハイターを使用してみるとよいでしょう。
- 嘔吐物
- 油
- 残飯
- 髪の毛
トイレに残飯や生ゴミを廃棄したり、何度か嘔吐を繰り返したりしている方は、パイプクリーナーを使用することで「つまり」を予防できる可能性があります。
まとめ
塩素系漂白剤のパイプクリーナーは、ご家庭の配管の清掃に効果的です。
尿石・トイレットペーパー・排せつ物など、トイレの主なつまり要因に対してはメーカーも「効果がない」とうたっていますが、嘔吐物や油などの「つまり」には効果が期待できます。